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第6回さっぽろ環境賞札幌市長賞に選ばれました。
 

 

北海道大学「環境報告書2013」への掲載

当社の設計した高効率空調システムが、「北海道大学環境報告書2013」に掲載されました。

特に外気温度の低い時期に冷却が高効率になり
年間平均PUE*1=1.21を実現*2

当社は、北海道大学(北大)情報基盤センターに設置されたスーパーコンピューター「HITACHI SR16000M1」を冷却するための水冷設備と外気を利用してクラウドシステムのサーバーから発せられる熱を処理する空調システムの設計を受託し、2011年5月に納品しました。7月より工事を開始し、11月1日にシステムが稼働し、現在に至っています。

このシステムについて、北大の環境報告書 2013に記事が掲載されています。

また、平成24年度国立大学法人等施設担当者サマーセミナーでの講演もおこなっています。

*1
PUE(Power Usage Effectiveness):データセンターやサーバー室のエネルギー効率を示す指標の1つで、IT機器の消費電力量に対する総電力量の割合
*2
北海道大学環境報告書2013より

年間平均PUEと省エネルギー

当施設に導入されていた既存のIT機器の消費電力は140kWでした。その年間平均PUEは1.81*3であり、一般的なパッケージ型空調機による冷却システムでした。
今回、IT機器が更新されることで、その消費電力が557kW(設計値。実際の消費電力は設計値の0.7~0.8)に増加します。計算システムの性能向上のためにはやむを得ないことですが、昼夜年間を通して休みなく稼働するために、これまでのような冷却システムではCO2の発生量は膨大なものとなってしまいます。
このため省エネルギー化を推進するべく北大と検討を重ね、外気冷房を中心とした省エネ手法により、年間平均PUE=1.22を目標する冷却システムを計画、設計することとなりました。

稼働から2年が経過し、水冷式コンピューターの冷却効率のよさとも相まって、年間平均PUE=1.21を記録し、大きな省エネ効果とCO2削減を実現することができました。(仮に旧来のシステムのままとした場合と比較してCO2削減量を概算すると1,400tCO2/年となり、一般の事務所ビル14,000m²の排出量に相当します。)

*3
北海道大学 情報基盤センター北館における新空調システムの省エネ効果より

導入した省エネシステム

既存空調機の空調ダクトを活用した外気冷房の併用

本プロジェクトは改修工事であるため、既存ダクトを利用して最大限外気を取り入れることとしました。その結果、設計最大負荷に対して、外気空調機47%パッケージ空調機53%のハイブリッドシステムとなっています。IT機器の排気が持つ熱的レベル(エンタルピ)が外気よりも低い時だけ循環空調を行うように外気空調機を制御することで、外気空調機負荷に対する年間熱源負荷を94% 削減*4します。また、冬季に外気空調機で冷水製造を行い、水冷部分(チラー)の熱源年間負荷を40% 低減*4します。加えて、搬送動力の増加を大吹出温度差と高効率送風機により軽減しています。(図1、図2)

*4
拡張アメダス気象データ(日本建築学会)1999年札幌データによる当社試算値

ラックの吸排気を物理的に分離(ホットアイルキャッピング)

IT機器周囲の給排気の混合をなくし、ラック吸い込み温度を安定化して冷却し、室内直吹出と大吹出温度差が可能となり、外気冷房の弱点である搬送動力の増加を軽減します。また、パッケージ空調機にも高効率安定運転のための吸い込みダクトと温度制御を装備しています。

部分負荷特性の高いチラーユニット

札幌の気象状態を考慮し、低温動作時の部分負荷特性の検証、高出口水温(11.5℃)設定とも合わせて年間を通して高効率の機種・制御を選定しました。

外気温の低い時に高効率で動作する空調機

一般のIT機器室用パッケージ空調機は、外気温が低下した時の効率(総合COP)向上は15~20℃で頭打ちとなりますが、15℃以下でも効率が向上するFMACS(NTT-ファシティーズ・日立)を2台導入しました。

図
図1 システム構成図(夏期・中間期の運転モード)

図
図2 システム構成図(冬期運転モード)

コンピューター(サーバー)の空調条件

図
図3 サーバー室温湿度条件

改修工事前は、空調温度は20~23℃でしたが、サーバー納入ベンダーによるとコンピューター(サーバー)の吸い込み条件は、図3に示すように、温度10℃~28℃、相対湿度20~80%となっています。
当施設では排気側をキャッピングすることによって、室内温度は28℃以下で稼働できるようにし、今回の室条件は制御による乱れも考慮して、25℃としています。

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